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ツールパスとは

ツールパスの基礎知識

ツールパスとは、ソフトウェアによって生成される加工ツールが物体表面を移動する経路のことで、主に工作機械で製品を加工する際に工具(Mastercamの場合ワイヤーも含まれます)の経路をコード化したものになります。
マシニングセンターや旋盤、ワイヤー放電など使用する工作機械や加工の方法によって経路が異なります。

なぜツールパスを生成する必要があるのか

CAMソフトを使ってNCデータを生成するにあたり、工具がどのように動くのか、削り残りや干渉などの問題が発生しないかなど、加工の流れや結果をあらかじめ確認することができます。
最終的に工作機械を動かすNCデータは、このツールパスをCAMソフトのポストプロセッサーによって工作機械に適切なものへと変換されます。
またデータとして残すことができるため、容易に修正を行うことや別なデータへの流用も可能です。
ツールパスの種類や名称は、各CAMソフトによって異なるため、以下では基本的なツールパスをご紹介します。

ツールパスの種類 2D編

2Dツールパスは、主に2軸が同時に動作し平面的な加工や穴あけなどを行うものです。
大きく分けると形状をなぞる輪郭ツールパス、指定した領域の内側を切削するポケットツールパス、そして穴あけを行うドリルツールパスになります。
輪郭ツールパスは、面取りや指定した形状をオフセットした場所から徐々に追い込む方法や、ポケットツールパスであれば段差や島残しなど、用途に合わせた設定があります。
前述の3つのツールパスの他にも特定の機能に特化したツールパスが多数あり、それらの種類や機能がCAMソフトの個性となっています。
例外として、形状をなぞりながらZ軸も動くランプ加工やヘリカル動作の加工など、XYZの3軸が同時に動きますが2Dツールパスに分類されているものも存在します。

ツールパスの種類 2.5D編

2.5D(2.5次元や2軸半と呼ぶ場合もあります)ツールパスは、2Dツールパスと同じ輪郭ツールパスやポケットツールパスを使用することが多く、2Dとの違いはテーパー角度の設定行うことで、Z軸が切り込むたびに指定した形状に一定の角度で勾配を付加するものとなります。

2.5Dテーパー加工の一例

ツールパスの種類 3D編

3Dツールパスは、大きく分けると粗取りツールパスと仕上げツールパスの2つに分かれます。
大きく分けると2つになりますが、あらゆる3D加工に対応するためツールパスの種類は多く、またCAMソフトによって最も違いが出てくる部分となります。
3Dツールパスには、それぞれ得意な形状や効果を発揮しにくい形状があり、1つのツールパスでワーク全体を仕上げずに、複数のツールパスを使用して加工を行っていくこともあります。
例えばウォーターライン(等高線)ツールパスとラスター(走査線)ツールパスはそれぞれ得意な形状が対照的であり、ウォーターラインツールパスは立壁や急斜面に強く、緩斜面やフラット面を得意としていませんが、ラスターツールパスはそれとは逆に緩斜面やフラット面に強く、ピッチ方向に対する急斜面や立壁を得意としておりません。
そのため、各ツールパスの得手不得手を理解し、適切なツールパスの選択や苦手部分を補うような設定が必要となります。

例1 ウォーターラインツールパスの場合

フロント方向から確認するとZ方向に一定のピッチで加工しています。この方向では問題ないように見えますが…

緩斜面部分ではピッチ間の距離が広くなりフラット面はツールパスが生成されません

例2 ラスターツールパスの場合

トップ方向から確認すると一定のピッチで一直線に加工しています。こちらもこの方向では問題ないように見えますが…

ピッチ方向に対する急斜面ではピッチ間の距離が広がってしまい、ストレートの立壁ではツールパスが生成されません。

ツールパスの種類 多軸編

同時5軸や同時4軸などの多軸ツールパスも加工する形状に合わせて様々な種類が存在します。
3軸までのツールパスの工具は、決まった方向を向いてXYZ軸が動作するのに対し、多軸のツールパスは工具の方向を自由に動かすことができるので、3軸では届かないアンダーカット部や、刃長が足りずに届かない場所への加工が可能です。
ですが実際にNCデータを生成した際に、工作機械の傾斜軸や回転軸のリミット超過や干渉を避けるために、より高度な設定が必要となります。