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無料CAD(フリー)とMastercamとを比較

無料CAD(フリーCAD)とMastercamの違い

無料CAD(フリーCAD)とは??

世の中には無料で使用可能なフリーソフトが無数にあり、CADのフリーソフトも存在します。
有償のCADと異なり導入費用やランニングコストが発生しないため、使用できる予算が限られている場合などには有効です。

フリーCADの特徴

フリーCADにも2D CADと3D CADがあり、無料でありながら多くの機能を有しているものがあります。
また、ソフトによって完全に無料で使用できるものや、無料でできる内容に制限があるものなど、様々な特徴があります。

・完全無料のフリーCAD
 一般的なフリーソフトと同様にインターネットから無料でダウンロードし、特に制限なく使用できます。

・機能が制限されている
 製品版(有償版)があるCADの場合、無料で使用できるのは基本的な機能までとなっています。
 主に製品版の導入を検討している時の体験版としての役割や、製品版導入後に別の担当者や新人の操作習得に用いられることがあります。

・使用期間が制限されている
 製品版の全機能を使用できますが、使用できる期間が制限されています。
 こちらも体験版として用いられることが多く、製品版を有償のライセンス認証せずに起動すると、初回起動時から30日など、定められた期間だけ使用することができます。

フリーCADのデメリット

無料で使用できるフリーCADは便利ですがメリットだけではなく、いくつかのデメリットも存在します。

・ソフトのアップデートが遅い、またはされていない
 ソフトのアップデートが遅い・されていないなどの理由から最新のOSに対応していない場合があります。
 アップデートが追い付いてOSの対応が解消されるのを待てば使用できますが、アップデートがされない(終了してしまった)場合、OSが非対応となるため、
 予期せぬ動作や起動できないなどの問題が発生する可能性があります。
 また、出力できるCADデータが古いと、最新バージョンのCADデータと互換性がなくなってしまう恐れがあります。

・突然サービス終了になる
 あくまでも可能性の問題ですが、何らかの理由でサービスが終了となり、使用できなくなったり、インターネットからダウンロードができなくなったり、アップデートが行われなくなる場合があります。
 そうなると使い続けることができなくなるため、他のCADに切り替える必要があります。

・使用できる機能や期間が制限されている
 フリーCADの特徴で述べましたが製品版があるCADの場合、使用できる機能や使用期間が制限されています。

・サポートやトレーニングが受けられない
 フリーソフトであるが故に、有償のサポートやトレーニングが受けられない、または存在しないケースが多くあります。
 この場合、不明点はソフトのヘルプ機能などを参照してご自身で解決することになります。

・商用利用できないソフト
 営利目的の商用利用が許可されておらず、私的利用に限られるソフトも存在します。
 この場合、利益につながる使用はできず、あくまでも個人で操作性や機能を確かめるためだけのものとなります。
 特殊なパターンとして、教育機関や学生は無償で使用でき、企業が使用するのは有償(製品版)のCADも存在します。

・日本語化されていないソフトが存在する
 海外製のソフトであればインターフェイスが英語表記で日本語化されていない場合があります。
 ヘルプも英語になるため、英語が理解できないと運用することが難しくなります。

フリーCADとMastercamの違い

フリーCADと有償CADの違いについて、ここではMastercamのCAD機能(Mastercam Design)と比較します

ここまで挙げてきたフリーCADのデメリットを、Mastercamは全てクリアしています。
毎年の大きなバージョンアップと年数回のアップデートを行い、最新のOSにも対応しています。
定期的なバージョンアップ及びアップデートは他のCADのアップデートに追従し、互換性を保ちます。
使用期限や(導入したモジュールの範囲では)機能制限もなく、手厚い技術サポートのサービスもあり、海外製のソフトですがヘルプも含め日本語化されています。
機能面では2Dと3Dのどちらにも対応しており、2Dのワイヤーフレームと3Dのソリッド・サーフェイスを混在させることもできます。
さらに3Dプリンターなどで使われているSTLデータの取り込み・編集・修正機能も有しています。
また、フリーCADだけではなく他の有償CADと比較しても入出力に対応しているファイル形式が非常に多く、ほとんどのCADとデータのやり取りが可能です。
このようにフリーCADはコストを抑えて運用するには便利かもしれませんが、有償のCADはその費用に見合うだけの機能やサポート等のサービスが備わっていると言えます。